セロトニン - 幸せ物質
セロトニンという言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは幸せ物質とも呼ばれていて、トリプトファンという必須アミノ酸から作られている成分です。体内でセロトニンが十分に足りていると、心が落ち着いてものごとに前向きに取り組めるようになります。トレーニングにおいてもその他のことにおいても良い作用をもたらしてくれます。
セロトニンはトリプトファンから作られます。必須アミノ酸であるトリプトファンは体内で合成されないアミノ酸で、人間がどうしても食事から摂取しなくてはならない成分です。トリプトファンは、大豆や豆腐、納豆、みそなどの大豆製品、赤身魚 チーズ、バナナ、ケールなどに含まれています。
セロトニンには太陽光とリズム運動
セロトニンを増やすためには、食事からトリプトファンを摂取するのと同時にセロトニン神経を活発化する必要があります。その方法は、太陽光を浴びることと、リズム運動です。このリズム運動と太陽光を浴びることがとても大切で、食事からの摂取は2次的な役割と考えるのが良いと思います。このリズム運動の中には咀嚼運動も含まれるので、食事、ガムやスルメを良くかむという動作も含まれます。
スポーツ選手、特に海外のスポーツ選手が試合中にガムをかんでいる光景は良く見られるとも思います。これはセロトニンを出すことで試合前、試合中にリラックスのなかでの集中した状態を作っている意味もあるのです。
ここで気をつけたいのは、セロトニン前駆物質をサプリメントで大量に摂取することです。この物質を大量に摂取すると、恐ろしい副作用があることが動物実験で実証されています。セロトニン前駆物質を大量に動物に投与すると、セロトニン症候群という、高熱やけいれんを引き起こして睡眠、覚醒障害を起こす症状が出ることがわかっています。
セロトニン前駆物質のサプリメント摂取は不要のうえ、怖い副作用の心配があるため、サプリメントの大量摂取は避けたほうが良いといわれています。
朝30分、外に出てみる
気分が晴れない、いやなことがあってめげそうなど、現代生活はこうした気分を晴らす習慣を失っています。心を癒してくれた事前も遠のき、力づけてくれた家族もいないことがあります。そんな時はアルコールに手を出したり、甘いものを口にしたりするより、こうしたセロトニンの性質を知って、自分で自分の脳内に薬、つまりセロトニンを出すことで、セロトニンを出すために朝30分ほど早く起きるとか、もっとつらくてだるいという人は、とにもかくにも、まずは外に出てみる事を試してみると良いかもしれません。
太陽光を浴びながらのウォーキング(リズム運動)は、セロトニンの分泌にとてもよい効果を発揮することと思います。
セロトニンには、もうひとつ重要な役割があります。それは「共感」という働きです。人間の幸福には様々な側面があります。まずは、今雨露をしのげる場所があって、そこでご飯を食べて、寝ることができて安心するというノルアドレナリン的幸福があります。
次にドーパミン的な社会的成功を得る幸福。しかし、挫折すれば気分はどん底です。仕事で成功しても他者からの愛情や共感が得られなければ、心の満足にはつながらない。脳の前頭前野という部分で、この「共感」に関わるのがセロトニンなのです。健康な脳に共感や愛情は必須です。共感や愛情がなければ、人間は健康でいられないということです。
セロトニンを活性化することにより、より前向きで活動的にトレーニングやダイエットに励めるようになると思います。