トレーニング

スクワットのバリエーション

下半身を代表するエクササイズとして、多くの人が実践しているスクワット。しゃがんで立ち上がるというシンプルな動きではあるが、そのバリエーションはきわめて豊富である。今回は、そのスクワットの奥深いバリエーションについて話してみたい。

スクワットの実施方法は、様々な場面で多く紹介されているが、そのほとんどはスタンダードな動作である。スクワットの開始当初はスタンダードな動作だけでも十分な効果が期待できるが、経験を積むにつれて、脚がなかなか発達しない、使用重量が頭打ちになったといった問題点が具体化してくる。この状況を解決するためには、フォームや実施条件の見直しが必要だが、さらなるレベルアップを目指すのであれば、バリエーションを活用することを検討してみよう。

可動域が大切

スクワットでは、胴体や脚の長さ、腰幅、骨の配列(X客、O脚など)、各関節(股関節、ひざ間接、足関節)の可動域などの要因によって、動員される筋肉や各部位に加わる付加などが影響を受ける。このため、標準的なスクワットの方法が必ずしも全ての人に当てはまるとは限らない。個人の特性に応じてより良いトレーニング効果を得るためには、スクワットの動や姿勢を適切に調整することが必要だ。具体例を以下に紹介しよう。

  • 足首の関節可動域が小さいため、しゃがんだときにかかとが床から浮いてしまう。臀部を後方に引いて上半身の前傾姿勢を大きくする方法を試してみる。
  • 長身で胴体が長い人の場合、しゃがんだときに腰背部の筋肉郡に大きな負担がかかってしまう。バーを標準より低いポジションにかついでみる。
  • お腹が出っ張っている体形のため、標準的な脚幅のスクワットでは、しゃがんだときに腹部が大腿部にあたって腰が丸くなってしまう。これにはスタンスを広くしてみる。
    スクワットの動作や姿勢の調整にあたっては、専門家に相談の上、ごく軽めの重量から開始して怪我のないように注意したい。

バーを担ぐポジション

両足を左右に開いて直立した姿勢から、しゃがんで立ち上がるスタンダードな(標準的な)スクワットのバリエーションについて項目別にしてみる。

スタンダードポジション–バーを方の上端のラインより少し低いポジションにかつぐ方法。肩甲骨を内側に寄せて肩をすくめると、バーが頚椎を直接圧迫し、方に痛みがでる状態を避けることができる。

ハイポジション-バーを肩のもっとも高いポジションに担ぐ方法。上半身をあまり前傾させず、膝を前方にだすしゃがみ方のスクワットで採用されるかつぎ方。

ローポジション-スタンダードポジションよりも低くかつぐ方法。臀部を後方に引き、上半身を大きく前傾させるしゃがみ方のスクワットで多用される。このかつぎ方は、上半身をあまり前傾させないスクワットで採用すると、バーがずり落ちやすく落下の危険性が高くなるので注意したい。肩やひじに負担がかかりやすい点にも注意が必要。

スタンスの幅-スタンスの幅を変えると、股関節の動きや動員される筋肉などに変化が生じる。鍛えたい部位によってスタンスの幅を調整したい。
ナロースタンス-大腿四頭筋をメインに鍛えたい場合に採用されるスタンス。股関節の動きは屈曲と進展が中心となる。左右にバランスを崩しやすいので注意。

スタンダードスタンス-大腿四頭筋と大臀筋がバランスよく動員されるスタンス。股関節の動きは、屈曲、進展のほか、骨盤に対して大腿骨が回旋する内旋、外旋も加わる。

ワイドスタンス-大腿四頭筋と大臀筋のほか、大腿部の内側の筋肉も動作させやすいスタンス。しゃがんだときには膝が外側に開く。
他にも大切なコツがあるが、それについてはまた次回話しをしたいと思う。

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