ホルモンのはなし2
2016/12/23
私達の体には細胞と呼ばれる小さく仕切られた部屋がたくさんあり、それらが集まって構成されています。その数はおよそ60兆個にもなり、種類は200以上にもなります。
元気の素になる興奮のホルモンとは?
ある種類の細胞の集団が興奮すると、その興奮が別の種類の細胞の集団を興奮させて、これが連動することで大きな興奮が沸き起こっていきます。こうして私達は体全体でとして興奮して、元気になるのです。
私達を興奮させて、元気にさせて、生きるための活力を与えてくれるホルモンはこうした細胞で作られ、細胞の外に出て行って別の細胞に働きかけて、その細胞を興奮させる化学物質なのです。ちなみに、細胞の外に出されることを分泌といいます。ホルモンの分泌とは良く耳にする表現かもしれません。
体中を網の目のように行きかう血管は体の中の色々な細胞同士がそれぞれ連絡を取り合うために設けられた通路です。もともと、ホルモンは興奮した細胞からでたあと、この通路に入り込み、この通路を通って別の細胞に到達して、その細胞を興奮させる物質として命名されました。つまり、ホルモンは欠陥の中を行きかう興奮伝達物質です。
現在までにホルモンは100種類以上発見されています。大切なことは、これほどたくさんあるホルモンは、ホルモンごとに厳格に決められた細胞だけを興奮させるということです。
ホルモンはなぜそんなに正確無比に自分が働くべき細胞を選んでいるのでしょうか。血液の中に放たれたホルモンは、全身を循環し、どんな細胞にもくまなく到達します。しかし、自分をキャッチする“受けて”を持った細胞のところにだけ停止して、それ以外の細胞の前は素通りしてしまいます。
このホルモンを受け止める“受けて”はホルモン受容体と呼ばれています。つまり、それぞれのホルモンに対して、そのホルモンに特別なホルモン受容体が存在するのです。ホルモンは、そのホルモン受容体を持った細胞だけを興奮させます。
逆にホルモン受容体を持たない興奮物質の事はホルモンと呼びません。これは、ちょうど温泉にたとえられるかもしれません。各地の温泉にはそれぞれの特徴と効能があります。ホルモンもそれぞれ独特な特徴と効果を発揮する細胞が別々に存在するのです。
ホルモンとトレーニング
運動をすると血の巡りがよくなって、心臓や血管からホルモンがたくさん分泌されるためです。心臓、血管は血液を送りだすポンプ、パイプだけの働きをすると長らく思われてきました。しかし、心臓や血管は、自分の中を流れる血液の量が多くなるとその事を感じ取ってホルモンを分泌します。
それぞれ、ナトリウム利尿ペプチド、一酸化窒素です。ともに欠陥を広げて、たくさんの血液が心臓や血管に圧力をかけることなく、無理なく流れるようにします。また、ナトリウム利尿ペプチドは腎臓に働いて余計な水分や塩を体の外に排泄しようとします。
こうした運動ホルモンが分泌されると欠陥が広がり血圧が下がり、余計なむくみが取れます。そして、血流が増えて血統を下げる作用のあるインスリンが各臓器に運ばれやすくなって血糖が下がります。
運動によってたくさん分泌される運動ホルモンがグレリンと同様にエネルギーの素であるATPを作り出すミトコンドリアを活性化することが発見されました。 ナトリウム利尿ペプチドや一酸化窒素の働きを強化したマウスは、ミトコンドリアがたくさん増えて筋肉が強くなり、持久力が高まって、腎臓が弱まる動きが抑えられる事がわかりました。
ダイエットや運動に取り組む際に、以上のようなホルモンの作用を知って運動するのと知らないで運動するとでは効果が全く違ってくるといえるでしょう。
次に、睡眠に対するホルモンの影響に触れてみたいと思います。日本人は世界で一番睡眠時間が短いといわれていて、5人に1人は不眠に悩んでいるといわれています。
睡眠は、一言でいうと脳の自主学習時間といえます。脳は夜休業しているのではなくて、昼間にたくさん取り入れた情報を整理しているのです。脳が一人になって、これ以上情報が入ってこない状況で昼間に取捨選択して記憶に残すことは残すという作業をしています。
脳にとって、睡眠は大切なメンテナンスタイムなのです。夜寝る前に悩んでいたのに朝になったらあっさり解決策が見えてくるということは良くあるのではないでしょうか。これは、寝ている間に自動的に頭の整理ができているおかげなのです。
ホルモンと睡眠
脳にとって大切な、一人の時間が取れないと脳はいらだってしまいます。交感神経は高ぶり、ストレスを抑制する副腎からはアドレナリンやコルチゾールがたくさん分泌されてしまいます。その結果、血圧が上がり、肥満や糖尿病も起こりやすくなります。短い時間でも寝ることは良いことです。昼間でも少し睡眠をとることで気分爽快になる事があります。居眠りしたい時はした方がよいのです。トータルの睡眠時間を確保することが大切です。
寝る時は部屋を暗くする?
メラトニンというホルモンをご存知でしょうか?寝る時には部屋を暗くして眠ることが大切です。その事は「ホルモンのはなし1」で触れていますので、そちらを読んでみて下さい。