ホルモンについて3
2016/12/23
普段の生活の中では様々なストレスがありますよね?
ストレスとは何らかの刺激によって体に起こった歪であるそうです。この歪を、脳はいつもと違う事態として感じ取ります。そして、常にブレない体を作ろうとするホルモンの出番を促そうとします。
人類の歴史の中で体にとっての最大のストレスは、食べるものがないこと、敵に襲われるといったことでした。これらのストレスを逃れるために生まれたのが副腎という内分泌臓器です。
疲れないためのホルモンとは?
副腎とは腎臓の上のある100gほどの臓器で、2つの部分から成り立っています。真ん中の芯の部分には髄質と呼ばれ、アドレナリンが分泌されます。副腎の外側は皮質と呼ばれ三層構造になっています。髄質に近い層から副腎男性ホルモン(女性にとっての唯一の男性ホルモン)、コルチゾール、アルドステロンの3種類のステロイドホルモンが分泌されます。
これは生物の進化の中で新しい要求にこたえるためにどんどん外側に新しいホルモンを作る細胞を積み重ねていったためといわれています。
敵が襲ってきたら、敵と戦うか敵から逃げないといけません。その時に心拍数があがり、筋肉が収縮し、血統が上昇し、瞳孔が広がる等の変化が起こります。私達の意志とは全く無関係に働く自立神経には交感神経と副交換神経の2つがあります。
敵が襲ってきた時の2つの闘争のための反応を示すのが、交換神経です。交感神経の交感神経に興奮を伝える物質はノルアドレナリンです。闘争反応に関してはもう1つ重要なものがあります。それは副腎の髄質から分泌されるホルモン、アドレナリンです。
アドレナリンはノルアドレナリンから作られることから、交感神経と副腎髄質は親戚関係にあります。これらのホルモンは共同作業をして外敵に立ち向かいます。これが疲れないホルモンになるのです。このホルモンを味方につけることができれば、トレーニングの疲労回復にも役立ち、疲労回復ホルモンであり、疲れないホルモンといえるでしょう。
メタボはストレスの病気?
コルチゾールが副腎からののべつまくなしに分泌される病気があります。「クッシング症候群」といわれる病気です。この病気にかかると顔が赤ら顔になり、真ん丸くなってきます。いわゆるメタボの人の顔になってくるのです。「メタボリックシンドローム」、メタボは肥満になり、お腹の中、腸の周りの脂肪である内臓脂肪がたくさん蓄積することが原因で高血圧、糖尿病、脂質異常症が重なって起こる病態です。「クッシング症候群」にかかっている人にも同様の症状が出てきます。コルチゾール(通称ストレスホルモン)はメタボの症状を引き起こすのです。
メタボリックシンドロームでは、脂肪組織でコルチゾールが過剰に作用していることがわかっています。一昔前の対応にストレスに対抗するために作られたコルチゾールは、現代のストレス(肥満)に対しては脂肪組織では聞きすぎるのです。ですから、メタボは、現代の対する過剰反応状態といえます。