アナボリズムとカタボリズム
アナボリズムとカタボリズムをご存知でしょうか?アナボリズムとは栄養を体の中に吸収、分解、筋肉を作り出していく働きのことを言います。カタボリズムとは運動や食事制限によって体の中のエネルギーが足りなくなって、筋肉が足りないエネルギーを補うべく分解される働きのことを言います。
アナボリズムとカタボリズムは、両方が作用していくことが大切です。どちらか一方が作用するのではなくて、お互いがちょうど良く作用していくことが大切になります。アナボリズムの作用が増えると筋肉の増量に役立ち、カタボリズムが増えると筋肉の分解が進みます。トレーニングやダイエットの観点からすると、両方を維持しながらもアナボリックを優位に保つことが大切になります。
筋肉を増やして、発達させるためにトレーニングをしてるのに、いつまでたっても結果が出てこないという状況ほど辛くイライラすることはないでしょう。この状態が続くとトレーニング自体をやめてしまうことにつながる人も多く見られます。どうして結果がでないのか?色々な理由があると思いますが、今回はアナボリズムとカタボリズムについてお話したいと思います。
たとえば4月と5月の自分の筋肉量を比較して変化がないとしましょう。それはアナボリズムとカタボリズムのバランスが均等だったので変化がなかったと思われます。もし、4月よりも5月の方が少しでも筋肉量が増えていれば、アナボリズムがカタボリズムより優位だったということが考えられます。
逆に2月の方が筋肉量が減少していり場合はカタボリズムが優位だったと考えられます。体作りに望ましいのは、アナボリズム>カタボリズムのバランスです。この状態を続けられると筋肉量を増やすことができ、代謝を上げてダイエットにおける理想の成果が得られるのではないでしょうか。
アナボリズム優位の状況はどうやって作るのでしょうか?その方法は多くありますが、ここでは3つの点に着目してお話したいと思います。筋肉の発達のために適した食事には適度なカロリーが必要です。かといってどんなものでも食べてよいというものではありませんが、その内容は高品質である必要があります。
筋肉の発達のスイッチを入れるためにはトレーニングが必要です。そして、トレーニングによって筋肉が疲労して傷つけられたら、次に必要なのは疲労回復と傷の修復のための栄養です。これにはカロリーが必要になります。
私達の体は運動していない状態でもカロリーを燃焼しています。これは基礎代謝と呼ばれていて、休息中でも体は生命維持に必要な機能を働かせるために、機能が停止しないように常にエネルギーを消費しているのである。
また、体は一定の体温を維持するためにもエネルギーを絶え間なく消費しています。肝臓や褐色細胞は蓄えられている栄養を燃やして、適度な体温を維持しているのです。運動を行えば、そのためのエネルギーも必要になります。
しかし、実はこの時に消費されるエネルギーは前に述べた基礎代謝の際に消費されるエネルギーよりもはるかに少ないのです。そうであるならば、それほどたくさんのカロリーを摂取する必要はないと思うでしょうが、これは逆で、高強度の運動を行った時消費されるエネルギーを最優先して消費するのです。
ようするに、よほど十分なカロリーが摂取されていなければ消費量は少なくても運動のためのエネルギーを確保することができなくなるのです。少ないカロリーしか摂取していなければ、その大半は基礎代謝で消費されてしまい、トレーニングのためのエネルギーは残らなくなるのです。
高品質のカロリー摂取が大切
高品質のカロリーを摂取する事が大切だと話しましたが、どのようなものが高品質なのでしょうか。まず、十分なタンパク質、適量の炭水化物、そして良質の脂質は必要不可欠になります。タンパク質は肉、魚、卵、甲殻類、豆、そして乳製品から摂取することが望ましいです。添加物を含まない食品であることは大切です。
グラミック指数が大切
炭水化物は精製されていないもので、グリミック指数が低いものを選択します。これは体内での糖までの分解が穏やかで確実に筋肉にグリコーゲンとして貯蔵されるからです。グリミック指数が高い炭水化物は血糖値を急速に高めるため、脂肪細胞を肥大させやすいのです。ジャガイモ、玄米、オートミール、果物、ベリー類、豆類、野菜などがよいでしょう。
脂質については、オリーブ、アボカド、ココナッツなどを原料にして作られたオイルや大豆、バター、油ののった魚などから選択するとよいでしょう。これらの食物をしっかり摂取すると必要なカロリーを摂取することができて、アナボリズム優位の状態を維持するためのエネルギーは十分に得られるはずです。
最初から全ての食事を完璧にすることは難しいと思いますので、まずは1日の食事の中での1回分の食事を良質なものに変えてみて、続いて2食へと増やしていき、それが普通に習慣になったら全ての食事を良質、かつアナボリズム優位になる食事へと変えてみてはどうでしょうか。トレーニングとアナボリック優位になる食事を習慣化できるようになる頃には、体に変化が出てきていることでしょう。